カイロまで―日記より―
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ヨーロッパの旅
著:勅使河原蒼風
1900年生まれ。華道草月流の創始者。
 1928年、第1回草月流展を開催し、軽快でモダンな花が評判となり、NHKラジオのいけばな講座を担当、この放送や以後の草月展を通じて草月流いけばなが広く知られるようになる。
 華道において斬新な手法を多く提供し「花のピカソ」と呼ばれた。
ヨーロッパの旅
パリ
無関心
 パリにきて目立つのは広場や河べりや、道路や樹蔭で人に気がねなくキッスしている人の多いことで、あとでヨーロッパをあちこちと廻ったが、やっぱりパリがいちばん目立った。
 レストランなどにはいって、すぐ前のテーブルにこっちむきの組が、食べたり飲んだりする合間合間にキッスするのをどうしても見ないではいられない配置になったりすると、そうとう見馴れていて平気になっていてもいくらか気にするような調子になる。
 これがパリの人間同士はまったく無関心で当然きわまるという風なのだが、それがなかなかいいとおもった。
 などとこのように問題にするのがいけないかも知れないので。
 キッスのことだけでなく、パリの人達は人が何をしようが、どうなろうが、知らん顔でいるのがあたり前なので、ラブシーンくらいを気にしていたのではとてもパリ人の仲間いりは出来ないというありさまなのだ。
 そのかわり、わたしがおどろいたこともあるというのは、ある街角で労働者風の人が倒れていて、からだのどこからか血が出ていて、服のあちこちにも血がついているというのにぶつかった。
 しかし通行する人達はちっともさわいでいない。一寸目をくばるのだがなんの感動もしないで行きすぎる人ばかりで、日本のように黒山の人だかりにならない。
 そのうちむこうからお巡りさんをひっぱって来た人が現われたが、このお巡りさんを連れてきたのはどうもアメリカの遊覧客らしくて、そのさわぎ方やおどろき方が本場のパリ人でないことが一目でわかるのだった。
 ラブシーンも怪我人もパリ人には同じように無関心になれる訓練のようなものがあるらしい。