カイロまで―日記より―

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ヨーロッパの旅

著:勅使河原蒼風
1900年生まれ。華道草月流の創始者。  1928年、第1回草月流展を開催し、軽快でモダンな花が評判となり、NHKラジオのいけばな講座を担当、この放送や以後の草月展を通じて草月流いけばなが広く知られるようになる。  華道において斬新な手法を多く提供し「花のピカソ」と呼ばれた。

ヨーロッパの旅

パリ

街頭の花屋

 パリでわたしがとまっていたホテルはナポンオンというホテルで、凱旋門のすぐわきの通りで、ホテルを出て一寸一つ筋をよこぎるとシャンゼリゼの大通りへ出るわけだ。
 ここは、はじめてパリに来た者にはいかにも場所がわかりやすくて、その辺に出てみるのにも帰りにまごついたりするはずのない、いいところである。
 着いた翌日の朝、カメラをさげて散歩に出てみると、凱旋門のまわりのひろびろしたながめがなかなか立派で、やっぱりそうとうなものだなあとおもった。
 少し前にパリに来ておられた友人の亀倉雄策さんが手紙をくれて、どうもパリはどこをねらっても、ねらうというのはむろん写真にねらうというわけだが、どうにも絵ハガキ調でやりきれない、結局写真をとる気がしないといっていられたが、まずここのながめなど絵ハガキ調というその代表的なものだろう。
 しかし威厳的で雄大な凱旋門の感じとはおよそ反対なものを見出した。それはお粗末そのもののような花屋の小さな店が二軒そのそばに出ていたことで、その不調和がまことに印象的だった。花屋といっても街頭のものはほとんどが手押し車を利用した屋台店級で、売る花もいわゆる下手ものとか、駄ものといっている種類で、だいたい気軽るに買う人のためのものであるといえる。
 その屋台の花屋にも私達が日本で使っているような枯れ草を吹きつけで彩色したものを売っているのはなつかしい気がした。ナギイカダとかスターチスなどがおもで、色は強い赤や紫であまりいい色に出てはいなかった。
 その点では日本の花屋にある吹きつけの方がずっと種類も多く、手ぎわもきれいにあがっていて、こういうことはやっぱり日本が本場だとおもった。
 しかし、先年アメリカヘ行った時のことだが、ニューヨークあたりの花屋に枯れ草や枯れ枝ばかりでなく、カーネーションとか、スヰートピーやアスパラガスなどの生きているのを上手に着色してあって、そのような着色を家庭などで自由にすることが出来るように、いろいろの塗料を噴霧器式の瓶にいれて売っていたものだが、これは日本でも真似た方が便利でいいとおもったことをおもい出す。